【2025完全解説】新型プレリュードが描く未来とHondaの情熱

2025年9月5日
Hondaの「PRELUDE(プレリュード)」が四半世紀ぶりに復活しました。
歴史・開発者の想い・最新技術から、新型プレリュードの魅力を深掘りします。
1. プレリュードとは?歴史と進化
プレリュードは、Hondaが1978年に送り出したスペシャリティスポーツカーです。
名前の由来は「前奏曲/序曲」。
その名の通り、常に新しい時代の幕開けを告げてきました。
|歴代モデルの進化

https://www.honda.co.jp/sportscar/sportscar/prelude/
初代(1978年):自動車が普及して家族を乗せる乗り物から、個人が楽しむスペシャリティクーペとして初代プレリュードは誕生しました。
CVCCエンジンを搭載し、電動サンルーフの採用など、当時としては画期的な装備を備えていました。
CVCCエンジン:
当時最も厳しいと言われた米国の排ガス規制「マスキー法」を世界で初めてクリアしたHondaのエンジン。

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2代目(1982年):超低ボンネット設計により、空力性能とスタイリングを両立。
Hondaが独自に開発した日本車初の4輪アンチロックブレーキを採用し、現在の安全技術に通じる安全性能を備えていました。
4輪アンチロックブレーキ(4w-ALB)
現在では当たり前に装備されているABSの元祖。タイヤのスリップを検知して、ブレーキがロックしないよう効きコントロールするシステム。

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3代目(1987年):世界初の4WS(メカニカル4輪操舵システム)を搭載し、旋回性能を大幅に向上。
4輪で曲がるという革新のハンドリング性能を発揮しました。
デートといえば”ドライブ”という時代に、「デートカー」と呼ばれるようになったのもこの頃です。
4WS(メカニカル4輪操舵システム)
ハンドルの切れ角に応じて前輪だけでなく後輪も連動して操舵することで、
車両の運動性能を飛躍的に向上した画期的なシステム。

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4代目(1991年):200馬力のDOHC VTECエンジンで、走りの楽しさを追求したモデル。
4WSも電子制御に進化したハイスペックモデルとなり、スペシャリティークーペとしての地位を確立しました。
VTECエンジン
Hondaのエンジンの代名詞とも言える、日常の使い勝手とスポーツ性能を両立した世界初の技術を搭載したエンジン。

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5代目(1996年):当時のHondaの最新技術を惜しみなく搭載した5代目。
世界初のATTS(アクティブ・トルク・トランスファー・システム)により、コーナリング性能を強化。
ドライバーの意のままに操る楽しさを進化させました。
ATTS(アクティブ・トルク・トランスファー・システム)
左右駆動力配分を最大80対20まで自在にコントロールすることで、FF車でありながら、狙った通りに気持ちよく曲がるコーナリング性能を実現。
そして2025年、
常に時代の先を行く革新技術を搭載してきたプレリュードが復活。
電動化時代にふさわしい、伝統と革新が融合した一台として注目を集めています。

ムーンリットホワイト・パール
2. 開発者の想い
新型プレリュードの開発責任者・山上智行さんは、「Hondaらしい」ではなく「Hondaにしかできない」クルマを目指したと語っています。
|UNLIMITED GLIDE

どこまでも行きたくなる気持ちよさ × 非日常のときめき
このコンセプトは、グライダーのように滑空する爽快感と、日常を離れた特別な体験を融合させた「新しいスペシャリティースポーツ」を実現する想いが込められています。
運転する楽しさだけでなく、助手席のパートナーにも快適さと安心感を提供するという、こだわりの設計思想です。

“操る喜び”と“高揚感”の両立
HondaのDNAである”あやつる喜び”を継承しつつ、滑空するような高揚感を味わえる走行性能を追求。
CIVIC TYPE Rとは異なる方向性で、絶対的な速さではなく、乗り心地とハンドリングのバランスを重視した独自の乗り味を実現しました。
見た瞬間に「欲しい」と思えるデザイン
インテリア・エクステリアともに、グライダーをイメージした伸びやかで軽快なフォルムを採用。
滑空するような”高揚感”を感じられる空間づくりがなされています。
“特別な時間”を届けるクルマ
プレリュードは、ただの移動手段ではなく、大切な人と過ごす“特別な時間”を演出する存在。
そのために、快適性・静粛性・積載性・デザイン・走行性能のすべてにこだわりが詰まっています。
3. 電動化時代の技術革新
新型プレリュードは、歴代モデルに恥じない、Hondaの最新技術を惜しみなく投入したハイブリッドスポーツモデルとして復活しました。
|“意のままの走り”を五感で体感
■ Honda S+ Shift

「Honda S+ Shift」は、ドライバーの操作とクルマの応答を高次元でシンクロさせることで、MT車のような「操る喜び」をe:HEV(ハイブリッド)車で実現する新技術です。
SPORT、GT、COMFORTなどのモード切替と「Honda S+ Shift」の組み合わせによって、走りの個性を自在に選び楽しむことができます。
“意のままの走り”を五感で体感するという、新しい発想が生み出した新世代のスポーツ制御技術です。
Honda S+ Shift
車速の伸びに連動してエンジン回転数を段階的に制御。減速時にはエンジン回転数を高く保ち、ダウンシフトに合わせて回転数を変化させ、まるでMT車のような「操る楽しさ」を五感で味わえる革新的な技術。
名前の由来は、「S」はHondaのスポーツスピリット(S600、S2000、TYPE Sなど)を継承。「+」は新たな価値の追加、「Shift」は人とクルマを新たな世界へ導くという意味が込められています。
|快適性とスポーツ性の両立

■ アダプティブ・ダンパー・システム
ハードウェアとソフトウェアの両面からアプローチし、「日常使いの快適さ」と「操る喜び」を高次元で融合させた、電子制御式サスペンション。
ドライブモードと連動し、ドライバーの好みの減衰力に調整することが可能です。
■ デュアルアクシス・ストラットサスペンション
CIVIC TYPE R譲りの高性能サスで、トルクステアを抑制しながら高い旋回性能を実現。
PRELUDE専用にチューニングされており、Hondaの「操る喜び」を体感できる重要な技術のひとつです。
■ アジャイルハンドリングアシスト
Honda独自の車両安定化制御技術で、旋回時の回頭性(クルマの向きの変化)や挙動安定性を向上させ、旋回時の安心感と楽しさを両立する電子制御システムです。
特に、ブレーキ中にも作動する新制御はHonda初の試みであり、日常からスポーツ走行まで幅広いシーンでの安定性と操縦性を高めています。
|“剛”と“柔”を融合したボディ設計

アルミ材フロントフードと高張力鋼板の採用により、軽量化と強度を両立。
軽量化によって燃費性能にも貢献し、環境性能と走行性能の両立を実現しています。
また、CIVICのプラットホームをベースにホイールベースを短縮し、旋回性能を高めダイレクト感と軽快感を向上。
Hondaのスポーツモデルにふさわしく、軽量化・高剛性・快適性・安全性のすべてを高次元で融合させることで、”意のままの走り”と“特別な時間”を支える土台として進化させました。
4. デザインのこだわり
|GLIDING CROSS STANCE

エクステリアデザイン
グライダーが滑空するような高揚感を体現するため、低くシャープなフロントノーズとスムースなルーフライン。
三次元的にクロスするクリーンかつダイナミックな面構成がスポーティーな安心感を表現しています。
さらに、新色「ムーンリットホワイト・パール」は顔料の濃度と配向性を高めた新技術により、圧倒的な陰影感を実現。
昼と夜で表情が変わるボディカラーは、所有する喜びを高めてくれます。
|GLIDING COCKPIT

インテリアデザイン
滑空するような高揚感を演出するため、低重心・水平基調のインパネで、操る喜びと視界の広がりを両立。
運転席と助手席を個別設計し、ドライバーには包み込まれるような安心感を、助手席には開放感を提供しています。
こだわり抜かれたデザインで、スポーティーさと上質感を両立し、五感に訴える非日常体験を提供するスペシャリティカーとして仕上げられています。
5. プレリュードが示すHondaの未来

新型プレリュードは、Hondaの伝統と挑戦の精神を受け継ぎながら、電動化時代にふさわしいスペシャリティスポーツとして誕生しました。
単なる復刻ではなく、電動化時代の幕開けを告げる「先駆けモデル」として、既存のニーズではなく、潜在的なニーズに応えるクルマを創りたいという想いから、PRELUDEの名を再び冠しました。
ハイブリッドスポーツとして「CIVIC TYPE R」とは異なる方向性を持ち、環境性能と操る楽しさの両立を目指しています。
これは、Hondaが電動化時代においても「走る喜び」を諦めないという意思の表れです。
クルマの白物家電化が進む中で、もう一度クルマの楽しさ、生きる喜びを取り戻すというHondaからのメッセージです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
